このような代理店営業マンを信用してはいけない

保険の知識のない一般の人に対して「保険のプロの私に任せて下さい」というのは代理店営業マンの常套手段だ。そのような営業マンは、自分では「高い山」の頂に登ったつもりでいるのかもしれないが、もっと高い山に登った者から見れば、それが一番高い山ではなく、はるか下方に霞んで見える「低い山」の頂にすぎないのだ。

そのように自画自賛する代理店営業マンが、生命保険を本当に理解していると思ったことが一度もなかったのは事実だ。

そのことについて、卑近な例でいうと、首都圏で複数の保険会社の代理店をしているリーダー格の営業マンが「自分たちは加入者の利益を第一に考えて最適な保険を提案するのであって、決して私利私欲のために保険を勧めることはない」と豪語した傍から、外回りの営業から戻った若手の営業マンに向かって「○〇君、君が、あと○〇万円売り上げてくれたら、今月の目標が達成できて○〇社から、報奨金がもらえるんだ。だから、頑張ってノルマを達成してくれよ。頼むよ!

まさに「何おか、いわんや」で、これが高いレベルの保険知識身につけて、加入者の利益を第一に考える代理店営業マンの真の姿なのだ。

また、都内にある数百人の営業マンを擁して全国各地に営業店を構える大型代理店企業の経営者に「定期保険を活用した経営者保険は、加入者にとって損であることが確認できる資料」を送ったところ、全く反応がなかった。

そのことの真意はわかないが、相手は「定期保険」を活用した経営者保険をかなりの件数販売しているために、相手企業の経営者のことを考えたならば、将来、相続対策につながらない定期保険は、加入者が損をすることが明らかなために「定期保険の販売」を即刻見直す(中止する)べきだと思うが、どうやら、相手に、そのような考えはないらしい。

そのような代理店に向かって「相続対策につながらない『定期保険』では、加入者が損をすることになる」と説明しても、相手は興味を示すことはない。

その理由は、加入者にとって「相続対策」につながらない「定期保険」のほうが保険会社に大きな利益がもたらされるために、代理店は、その橋渡しをして高額な手数料を得ることができる上に一定額以上の売り上げを上げた場合は、保険会社から販売手数料の他にインセンティブ(報奨金)が支払われるために、彼らは二度美味しい思いができるのだ。

さらに年間の売り上げ目標を達成した場合は、特別インセンティブとして海外旅行の招待を受けることになるために、それが彼らにとっての共通の目標であり、モチベーションになっているのだ。そのような代理店が、加入者の利益に配慮することなどあり得ない。

彼らにもたらされている販売手数料や、あらゆるインセンティブの財源は、本来、保険会社や営業マンが得るべきものではなく「加入者に還元されるべきもの」なのだ。そのことを理解することが、それほど難しいとは思えないが、そのように考えることができない(考えようとしない)代理店営業マンが多いのは事実だ。

そのような営業マンが、加入者に信頼されて寵愛されているのも、また、この世の現実なのだ。